フィル・アンセルモが5年ぶり来日でPANTERA曲演奏~傾向と対策


Twitterのタイムラインに飛び込んできた新規公演アナウンスを見た瞬間に全身の血が逆流した。つい先日、元祖エクストリーム系メタルイベント「Extreme The DOJO」の6年ぶり復活が発表されたばかりだったが、なんと復活第二弾のヘッドライナーがフィル・アンセルモだと!!! フィル!!! アンセルモ!!! 正式にはフィリップ・H.アンセルモ & ザ・イリーガルズ。そして、ここが重要。バンドロゴの下に「play PANTERA songs」と書いてあるではないか!!! ボイス・オブ・パンテラのフィルが遂にPANTERAの曲を堂々と解禁する。2019年上半期最大のサプライズ公演はソールドアウトのプラチナ化必至だ。PANTERAをリアルタイムで体験した人にも、未体験の人にも、絶対参戦することを強くお勧めする。


フィルは昨秋、LAで“全曲PANTERA”のショーを敢行。当然のごとく話題になり、拡散された。サンセットストリップの老舗クラブ・The Viper Roomの様子がとてつもなく熱い。全11曲のセットリストが熱すぎる。



2018.11.16@The Viper Room, West Hollywood, CA, USA

1. Use My Third Arm(■)

2. Mouth for War(★)

3. Becoming(■)

4. Walk(★)

5. Death Rattle(◆)

6. I'm Broken(■)

7. This Love(★)

8. Fucking Hostile(★)

9. Hellbound(◆)

10. Domination / Hollow(● / ★)

11. A New Level(★)


●Cowboys From Hell /カウボーイズ・フロム・ヘル

★Vulgar Display of Power / 俗悪

■Far Beyond Driven / 脳殺

◆Reinventing The Steel / 激鉄


「俗悪」「脳殺」「激鉄」から中心の選曲は中だるみする隙など一切与えぬ怒涛の極み。(これら日本盤の漢字二文字のタイトルが好きだった。ちなみに「The Great Southern Trendkill」は「鎌首」。)最後にフィルがアカペラで歌う「天国への階段」はヴィニー・ポールとダイムバッグ・ダレルに捧げられたのか・・・。



アボット兄弟との確執が伝えられ、溝が埋まらぬままPANTERAは永遠の伝説となってしまった今、PANTERAの唯一無二の声であるフィルしかPANTERAの曲を甦らせることはできない。PANTERAの熱を体感したければ、我々ファンはフィル・アンセルモがいる場に行くしかない。もちろんレックスも一緒にいれば嬉しいに決まっているが。


フィルはPHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS名義でのライブでは必ずPANTERA曲をプレイしてきた。現時点で最新の2月2日、アルゼンチンのショーのセットリストは来日公演の予習になろう。


2019.2.2@El Teatro Flores, Buenos Aires, Argentina

1. Little Fucking Heroes(□)

2. Choosing Mental Illness(□)

3. The Ignorant Point(□)

4. Photographic Taunts(□)

5. Walk Through Exits Only(○)

6. Mouth for War(★)

7. Becoming(■)

8. This Love(★)

9. Fucking Hostile(★)

10. Hellbound(◆)

11. Domination / Hollow(● / ★)

12. I'm Broken(■)

Encore:

13. Walk(★)

14. A New Level(★)


○Walk Through Exits Only

□Choosing Mental Illness as a Virtue

●Cowboys From Hell /カウボーイズ・フロム・ヘル

★Vulgar Display of Power / 俗悪

■Far Beyond Driven / 脳殺

◆Reinventing The Steel / 激鉄


序盤はPHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALSの最新作2ndアルバム「Choosing Mental Illness as a Virtue」と1st「Walk Through Exits Only」から徹底的にブルータルなオープニングで現在進行形のフィルを見せつける。日によって5曲目はBedridden(○)に差し替えられている。


PANTERA現役当時からフィルは、DOWNやSUPERJOINT RITUALなどインディペンデントな創作活動を平行して溢れる意欲を表現してきたが、近年はSCOURも含めてエクストリーム度が増しに増している。髪型もあの頃の坊主頭に戻して、若返った印象を受ける。


そしてお待ちかねのPANTERAセットは「俗悪」のオープニング曲であり、PANTERAを象徴する代表曲の1つ、「Mouth for War」で幕を開ける。そこから9曲、全てLAでプレイされた曲が一部並びを変えてショーの最後まで続く。ビデオを見るとアルゼンチンのオーディエンスは絶叫シンガロングしっぱなし。フィルは「スーパー・サンキュー!」と応える。




これがもうすぐ日本でも見られるのだ。興奮せずにいられるわけがない。南米ツアーではDeath Rattle(◆)かPrimal Concrete Sledge(●)が披露された日もあるので、日本でも東京と大阪でセットチェンジがあることを期待したい。実はPANTERAの最終公演地は日本の横浜アリーナだった。2001年8月26日にPANTERAが最後のライブをしてから18年。フィル自身がこのことを覚えているのなら、特別な地で特別なプレイをしてもらいたい。



PANTERAのレガシーを受け継ぐフィル・アンセルモに最上の敬意を表して、我々ファンはPANTERAの曲を復習し、フィルと一緒に叫べるように練習し、ライブ当日に最大限のエナジーを放出できるよう、今から肉体も鍛錬して、PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALSと歴史的一夜を作り上げようではないか。


TEXT by Shinji Nishimura / 西村真司


■PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS


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